今月15日付で、医療安全情報No.75が公開されています。
今回輸液ポンプを使用する際、指示された時間あたり流量と、投与の予定量とがあやまって入力された結果、大量の薬液が投与されてしまった事例が3例挙げられています。
輸液ポンプの安全対策としては、平成15年3月18日に厚生労働省が「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」(医薬発0318001号)という通知を発しています。この通知では、流量と予定量の双方を入力しないと作動しないようにするとともに、入力間違いを容易に発見できるように装置の視認性を向上させる措置を求めています。
この通知を踏まえて、医療事故対策適合品マーク付きのポンプが発売されているそうです(※参考:マーク貼付品リスト)が、今回公開された医療安全情報は、現場に適合品マークのない機種が混在していることに対して、注意を喚起するものとなっています。
多くの患者さんに対して頻回に使用される機器ですので、新人看護師さんに向けた研修等において、こうした通知が活用されることが望まれます。
この問題の根本的な解決のためには、安全対策が不十分な機器が現場で混在しているという状況を、できるだけ早く解消する必要があります。機器更新のために必要となるコストなどについても日本医療機能評価機構が試算を行い、国や自治体、中医協等に政策として提言していくというような発展的取り組みも期待されます。
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